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物語はここで終わってもいい。
少年たちが黒ビル、開かずの間で「不気味な声の怪」に遭遇した。あれは何だったのだろう……
世の中には不思議(不気味)な話があるのだな……で区切りを付けた方がスマートだ。
この先は閲覧注意である。
暴力的な表現、乱暴なモノが苦手な方はここで読むのを辞めてほしい。特に未成年の方は読むのを遠慮した方がいいと思う。
この続きを読んでくれる人には、後味の悪い「後日談」が待っていることを先に謝罪しておく。
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後日談《閲覧注意》:
時が経ち、A君が高校生になったころ。A君は「黒ビル、開かずの間」で聞いた気味の悪い声、その正体にたどり着いた。
結論から言うと、少年時代のあの日、開かずの間にいて不気味な声を出していたのは人間だった。妖怪や幽霊ではなく、ただの人間。しかし、人の道を外れたおぞましい種類の人間たちがそこにはいた。
黒ビル1階、白いシャッターに赤いスプレーで描かれていた妙なマーク(○印の中に家紋のような紋様が描かれたモノ)があったことを覚えているだろうか?
A君が調べた所、あれは、O県南部にナワバリを持つギャングチーム「××××」のものだった。ギャングチームとは現在で言う所の「半グレ組織」みたいなもの。
ギャングのチームマークが入った建物、それは「××××」の所有物であることを示す。もちろん、「××××」が建物の不動産を所持(賃貸)しているわけではなく、不法に占拠し、勝手に所有を宣言しているだけだ。
黒ビルはギャング「××××」のたまり場だったと言える。
次に『B君の兄貴』のことを思い出してほしい。B君の兄貴は黒ビルの入口、開かずの間の内装について具体的に知っていた。オカルト好きのD君ですら知らなかった情報を、B君の兄貴は知っていた。この点を疑問に思ったA君は、B君の兄貴の情報を集めた。
調べた結果、B君の兄貴はギャングチーム「××××」の一員であったことが判明した。
続いて、A君が近所の事情通(おしゃべりな警察官)に聞いた情報を記す。
西暦20××年7月××日(A君たちが黒ビル探検をした日) 、男3人が集団で女性に乱暴を働く事件が起こっている。「乱暴を働く」という表現をはっきり説明してしまえば「レ○プ」である。
男3人はギャングチーム「××××」のメンバー。男3人は夜道を一人歩きする女性を車でさらって、とある廃ビルの一室に連れ去り乱暴を働いた。
事件の発覚は、女性が被害を受けている所を偶然に目撃した少年の警察への通報が元。その通報がきっかけで、事件を警察が認知。捜査の果てに男3人を逮捕(補導)した。
『B君の兄貴がギャングチームの一員だったこと』
エレベーターシャフトじゃなくて通す穴だけ空いてることなんてありえんの?