短編
2021/02/20
00:49
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「骨か…?」
数えるとビニール袋は6つあって、全ての袋の中に骨のような物が入っていた。
骨は不自然に白く、ある程度小さく砕かれた様子だった。
「これ、火葬場で焼かれた骨じゃないのか?」
責任者はそう言って警察に連絡した。
後日警察から連絡があり、あれはやはり火葬された人骨だった。
あの骨の量からすると、小さな子供だとしても一人分には満たなかったらしい。
残りの骨はどこかにあるはずだし、誰の骨かまでは分からなかったから、結局無縁仏として供養される事になった。
定礎に物を入れる事が出来るのはビルのオーナーか建築会社くらいだが、オーナーは死んでいて、建築会社はすでに倒産している。
両者のどちらかはこの人骨と何らかの関係があるのだろうが、どちらとも連絡が取れない以上、もはや調べようがない。
ビルにまつわる不気味な現象やオーナーの自殺が、この人骨に原因がある思ったが、結局それは誰にも何も分からなかった。
あれから数年経っているが、ビルの跡地は未だに買い手がつかない。
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