誕生日会の知らない子
投稿者:ぴ (414)
誕生日会の帰り道に、一緒に誕生日会に参加した友達と歩いて家に帰りました。
その途中に「そういえば、Nちゃんって妹いたんだね」という話題を振ったのです。
だけど友達は何のことか分からないみたいなポカーンとした顔で、「え、Nちゃんに妹はいないよ。
一人っ子だよ」と言われました。
「え、さっき隣にいた子って妹じゃないの?」と私が疑問に感じながら聞くと、友達は怪訝な顔をします。
そして「え、そんな子いたかな?」と心底不思議そうな顔で聞くのです。
あきらかに小さい子が混ざっていて目立っていたのに、あれに気づかない友達が信じられないと私は思いました。
だから「ずっとNちゃんの足元をうろうろして、くっついていた子がいたでしょ?」と聞いても、友達はうんとは頷いてくれませんでした。
ただ普段からちょっと抜けていて食いしん坊だった友達だったので、多分料理やケーキに目が眩んで、気づかなかっただけだろうと思い直しました。
まさか後日、その真相を知ることになるとは思いませんでした。
後日Nちゃんが誕生日会で撮影した写真を学校に持ってきてくれるということで、放課後集まったのです。
そしてみんなで写真を見ることになりました。
現像された写真にあの日の参加者のクラスメイトがずらっと集まりました。
そしてみんなでワイワイ写真を見ている途中で、ざわめきが起こったのです。
ある1枚の写真を見てみんながざわつき始めました。
そして「もしかして心霊写真!?」と誰かが思わず口走ります。
「え、Nちゃんの横の手って誰の手」と言い始めたのです。
誕生日会を開いたNちゃんは私から見ても真っ青な土気色の顔色になっており、写真を見て怖がっているようでした。
あまりにざわめきがすごいので、私もその写真を見せてもらったのです。
そしたらみんなでケーキを取り囲んで記念写真を撮ったNちゃんの腕に小さな真っ白い手が絡みついているのが見えました。
その場所に手が置けるような人物がいないのに、なぜか腕に巻き付くように小さな手が絡みついているのです。
私はそれを見て、ぞっとしたのです。
他の人は単純に心霊写真を見てぞっとしたと思いますが、私は他の人以上にぞっとしました。
だって私は知っていました。
あの日、誕生日ケーキを取り囲んで記念撮影したときに、Nちゃんの右隣には私が妹だと思い込んでいた子がくっついていたはずです。
だけど確かにいたはずのその子は写真には写っておらず、ただ絡みついた手だけがぼうっと心霊写真のように写っているのです。
私はこの写真を見て、やっとあの小さな子供の正体が分かりました。
あの子は友達が言うように、Nちゃんの妹なんかじゃなく、生身の人間ですらなかったのです。
私はその後何気なくNちゃんにあの日小さい子供が誕生日会に参加していなかったか聞きました。
そしたらNちゃんは不審そうな顔で、「クラスの友達しか呼んでないから小さい子なんて知らないよ」と言われました。
ゾッとした
小さな子はNちゃん家族に関係あるのかな