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激しい心臓の拍動を感じる。
紙を持つ手が、いつの間にか震えていた。
その時俺は、最後に松山を目撃したリサイクルショップでのことを思いだした。
黒いパンツ一枚でパイプ椅子に座り、彼はショップスタッフから確か次のような説明を受けていた。
「B、H の場合は800万円、L の場合なら、、」
俺はその時ようやく、その意味が分かった。
今度は洗濯機の上にあったもう一つのもの、預金通帳を見る。
名義はもちろん松山だった。
膝の上でバラバラと捲っていき、最後のページを開いた時、俺は目を疑った。
8月1日の残高は¥1,055
だが9月1日の残高は¥2,001,055
見ると8月の末に、Kというところから¥2,000,000が振り込まれていた。
数日後に自宅に来訪した警察の話によると、
松山の解剖結果からの警察の推測は、今回は事件性が無く、精神錯乱による発作的な自傷行為だと結論付けていた。
ただ一つだけ不審な点は、ここ半年以内に何らかの外科的な処置により、彼の腎臓の片方が摘出されていることが分かったらしく、警察はここに関して現在調査中ということだった。
【了】
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文章がとても上手なので、怖さの伝わり方が凄かった
怖い……
Kというリサイクルショップの名前が知りたい…