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意味怖(意味がわかると怖い話)

ねこじろうさんによる意味怖(意味がわかると怖い話)にまつわる怖い話の投稿です

出来れば知りたくなかった父の秘密
長編 2022/09/13 00:47 16,084view
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「ううう、、、」

何故か悲しげに泣きながら、鼻をすすっている。

「ううう、、、くすん、くすん、、、」

すると突然、男の声が聞こえてきた。

「大丈夫 何も怖くないよ」

しかも、この声は俺ではない!

声の感じからして、ある程度年齢の行った大人の男性だ。

声は続く。

「大丈夫、何も怖くないからね

怖くないから、これから、おじさんの言うとおりにす、、、」

耐えられず停止ボタンを押した。

─そ、そんな、、、嘘だろ、、、

真っ暗になった液晶画面を睨みながら、俺は1人呟く。
額から頬にジワリと流れる生暖かい汗。
喉裏に激しい心臓の鼓動を感じる

信じたくはなかった、、、
信じたくはなかったが間違いない。
俺はビデオの男性が誰なのかが、分かった。

そして同時に脳裏には、かつて実家周辺で起こった「幼女神隠し事件」というものがよみがえってきた

「幼女神隠し事件」というのは、今から10年ほど前に、俺の実家のあるF 市で起こった連続幼女失踪事件だ。
市内に住む小学生にもならない女の子4人が、次々と失踪した事件で、警察、自衛隊、地元のボランティア総がかりで約1年に渡り、大捜索を敢行したのだが、結局、一人も見つからなかったのだ。

その頃、俺は既に結婚していて、隣の県のマンションに住んでいたのだが、この事件は全国的にも報じられており、ある程度の内容は知っていた。

あの当時、妻とともに実家に帰った俺は、こっそり母に、ある相談を受けていた。
その相談というのは、夫婦二人にはあまりに家が広すぎるから、売り払ってアパートか施設に住みたい、と思うのだが、どうしても父が家を手放したくない、と言っている。
何とか説得してほしい、と。

これで、全てが繋がった。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

次の休みの日のこと。

俺は一人、自宅から車で1時間かかる地元の埠頭まで走ると、突堤の端まで歩き、あの忌まわしいハンディカムを海に投げ捨てた。

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コメント(1)
  • 出来ればそのビデオ売ってほしかったわ。

    2023/07/15/17:19

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