どんな人の心の中にも潜んでいる闇の話
投稿者:ねこじろう (149)
─あんなところで何をしてるんだろう?
好奇心に駆られた私はベッドを降り、杖を付きながら部屋を出ると、慎重に階段を降りてから奥の和室に向かいました。
そしてカーテンを開け縁側に出ると、サンダルを履いてから垣根の方まで歩きます。
石をぶつけるような音は、すぐ近くから聞こえてきてます。
ゴン!、、ゴン!、、ゴン!
私は垣根の隙間からそっと覗きました。
それはちょうど隣の庭の片隅辺り。
小阪のおばちゃんが何故か白装束姿でしゃがみ、大きな石を右手に持って、左手に持った何かを叩いてます。
その間ずっと呪文のように同じ言葉を繰り返しながら。
そしてその言葉が何か分かった瞬間、私の背筋を一気に冷たいものが走りました。
「死ね!、、死ね!、、死ね!」
怖かったのですが、私は更に目を凝らします。
そして彼女が左手に持っているものが分かった途端、再び背筋が凍りつきました。
それは、
私が大事にしていた人形。
おばちゃんは左手で私の人形の右足を石の台に乗せ、そこ目掛けて、右手に持った石をひたすらぶつけているのです。
何かにとり憑かれたような顔で「死ね!死ね!」と繰り返しながら、、、
「ひっ!」
私は小さく悲鳴をあげると、思わず尻餅をついてしまいました。
そしてしばらくは恐怖で身体が固まり、その場を動くことが出来ませんでした。
それ以来私は、小阪のおばちゃんに会っても、その顔をまともに見ることが出来なくなりました。
その後一月ほどで一応私の右足は治りはしたのですが、膝には後遺症が残り、今のこの年齢まで完全に治ることはありません。
【了】
とんでもないBBAすね
なぜそんなに恨まれてたのか不明