禁足地と人柱
投稿者:セカンド (1)
長編
2022/09/07
11:54
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「〇〇、お前も十二年後、一緒にお爺ちゃん家に行くからな。忘れるなよ」
親父はそれだけ俺に伝えると部屋着に着替える為に寝室へと上がっていく。
一方で、俺は一人立ち竦む。
たくさんの記憶が頭の中をぐるんぐるんと駆け巡って、やがてパズルの様にハマっていく感覚だった。
Sは恐らくもう何処にも居ないかもしれない。
確証は無いが確信めいたものが俺の中にはあった。
それはSから聞いた話であり、親父から聞いた話が結論付けているのかもしれない。
あの夜、何かを見たSは奇声を上げ、伯父達に足蹴にされた。
拘束された後、神主に変なお祓いをされ、Sは再び発狂、そして何度も伯父に足蹴にされる。
これらは紛れもない事実だった。
あの日、SはSでなくなったのかもしれない。
もし、親父やSが話してくれた話が断片的にも本当だったなら、俺は禁足地とやらに踏み入った為に呪われたという事になるのだろうか。
もし、あの進入禁止の先が禁足地だったとしたら、Sは人柱にされたのだろうか。
その答えを知るのは、恐らく十二年後の盆になるだろう。
親父が冗談として話してくれた通りにならない事を俺は祈っている。
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キョオオオオ!!
これぞ洒落怖って感じで面白かった
洒落怖入り候補ですね
個人的にはやっぱり小説っぽいのよりこういうテイストのほうが好きだな
Youtubeで聴きました。面白かったです。
おらこんな村嫌だ~。
似たような怖い話は、過去たくさん読んだり聞いたりしたから、なんとなくこうなるんだろうなと先は読めた。どんなに手を尽くしても助からない、足を踏み入れた段階で、死亡フラグが立つ人間が出る。命にも関わる話ような話なのに、大事な家族にきちんと伝えない他所の土地から嫁いできた嫁さんたちは、ブチ切れるのは当たり前。そんな、ツッコミどころ満載のはずの定番中の定番怪談でありがなら、ここまで読ませる文章力と表現力と破壊力。
親父さんの言う通り、「冗談だよ。冗談。」 「作り話だよ。当たり前だろう。」とビクビクしている。俺も田舎者。
凄く良かったです。
五回目の12年で60年。父親は5歳だったとしても、65歳、祖父は80~90歳。
高校生の俺は16~18歳。
かなりの高齢での息子なんだね。
↑別に父親、祖父が5回全部やったとは書いてなくね?
家族とか親族、村の人間って書いてあるんやで祖父の父とかがやったんじゃね
間違ってたらすまん
じわりじわり・・・と、怖さが増していきました。
方言がまんま地元と同じだから更に怖い
こええええええええええええ
キヨオオオオオオオオ!!!!!!!