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心霊

ぴさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

いる部屋
短編 2022/08/23 13:19 1,919view
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私は、一時的に一人暮らしの友達の家を渡り歩いたことがありました。

親と大きな喧嘩をして、家を飛び出したことがあったのです。

それで行く宛に困って、友達の家を転々としました。

もう泊まれる家がなくなったときに、その子に「うちに泊まりに来る?」と誘われたのです。

その子とは特別親しかったわけではなく、ただの顔見知り程度でした。

それなのに泊まらせてくれると聞いて不思議だったけど、私は選択権もなかったのでその子の家に泊まらせてもらいました。

最初からおかしかったと思います。

あの頃季節は春で、決して寒い日はなかったです。

なのにその子の部屋はいつも冷房がついているかのように、なぜかひんやりしていて、肌寒いと思いました。

温度が本当に意味が分からないくらい低かったのです。

それが最初から気持ち悪いなと思っていました。

そしてもう一つ、その子の家には大きな洋服ダンスがあったのですが、その内側から夜通し「ガリガリ」という不審な音がするのです。

私はこの音のせいで、夜なかなか眠れなくなりました。

家主の子に聞いたら、「うちね、いるの」と言われました。

いると言われて、最初はさっぱり理解できなかったけど、話を聞いているうちに次第に彼女が「幽霊がいる」と言っていることが分かりました。

それでもどうしようもなくて、一週間くらい部屋に泊まっていたのですが、ある日トイレに入っていると「コンコン」とされたのです。

私は「あ、ごめん入ってる」と言いました。

数秒開けてまた「コンコン」とあきらかに誰かがノックする音がしたのです。

私は急かされて急いでトイレを出ました。

だけどトイレの前には誰もいなかったのです。

トイレを出て、そういえばこの日友達が同窓会で出かけていることを思い出しました。

そうその日家には私一人しかいなかったのです。

急に背筋がぞくぞくしてきて、私は部屋に向かいました。

「ばたばたばた」と後ろで誰かが走るような音がして、びくっとしました。

部屋に入る瞬間に後ろから何かに体当たりされたのです。後ろを振り向いたら誰もいませんでした。

私はその日すぐに荷物をまとめてその家を出ました。

あまりにも怖くて、一人ではいられなかったからです。

それから逃げるように実家に帰りました。

それをきっかけにして私は両親と和解して、家に戻りました。

しばらくして、あの家に住んでいた友達が退学したと聞きました。本当に突然の話で、挨拶すらできなかったです。

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