被虐待児のおまじない
投稿者:窓際族 (47)
これはとある女性がもう時効だからと話してくれたことです。彼女は子供の頃、母親から虐待を受けていました。とはいえ殴る蹴る、食事を与えないといった分かりやすいものではなく、他の兄弟姉妹と比較する、何をやっても決して褒めない、短所をチクチクとなじるといったような、どちらかと言えばメンタルを壊しにかかるようなもので、彼女はこのせいで様々な不調を抱えていました。
しかし子供というものは不思議なもので、当時の彼女は母親を恨むということはしませんでしたし、母親がこうなのは自分が悪いからだと本気で考えていました。なので学校の図書室でいろいろな本を読み、どうすればお母さんと仲良くなれるか、どうすれば自分がマシになるかといったことを必死に勉強していました。
そしてある時、彼女はその知識を元に自分なりの「おまじない」をすることにしました。それは人形を使ったおまじないで、家や学校を段ボールなどで再現した空間で、自分や母親、学校の友達などに見立てた人形に理想を演じさせるというものでした。本に書いてあったことをしっかりとやったことや、母親や友達の一部(髪の毛)を入手して人形に仕込んだこともあったためかその効果は抜群。ご近所や学校でもトラブルを起こしていた母親は穏やかになり、友達関係も改善されてしばらくは平和な時期が続いたそうです。
ところがある日、母親が「おまじない」に使うセットや人形を破壊してしまいました。彼女はあまりにショックだったので、その時のことはよく覚えていないと言います。しかし、その後のことは覚えていました。彼女の母親は弟と車に乗っている時に事故を起こし、大けがを負ってしまったのです。
しかし子供というのは健気なもので、こうなっても彼女は「おまじない」を続けたのだとか。しかし中学にも入るとさすがに母親の異常性に気づくもの。そこで彼女は今までと同じ方法で母親に復讐を試み、ムカつく兄弟ごと病院送りにしたことがあったのだそうです。とはいえその時には自分にもしっぺ返しがあったので、それからは人を呪うようなことはしなくなったのだとか。
ちなみに彼女は大人になった今、ウィッカ(魔女術)で人が幸せになる手助けをしています。そしてウィッカの教えにおいても「人を呪うとしっぺ返しを受ける」というようなものがあるのだそうです。日本のことわざにも「人を呪わば穴二つ」とありますが、本質的に大切なことというのは古今東西変わらないものなのでしょうね。
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