田所さま
投稿者:八尺マン (49)
俺が子供の頃の話
俺はかなりの田舎出身で、子供の頃は緑に囲まれて暮らしていた
農作物が主な収入源な村だった
都会育ちの奴らは田舎に変な憧れ持っているけど、はっきり言って、いいとこなんてない
マジで何もなかったし、何をするにしても近所の人にバレバレで窮屈で仕方なかったからな
で、これから話すのは、その田舎での話なんだけど、俺の田舎に田所さんってのがいたんだ
その田所さんってのは、近所に住む40代のおじさんで年寄りのお母さんと一緒に暮らしていた人だ
かなり変わった人で一日中外を歩き回って、話しかけても「あー」とか「うー」とかしか言わないで、時々、空をずっと見上げて何か話しかけているという、ちょっと障害のあるような人だった
もっとも、最初からそうだったわけじゃないらしい
昔は普通に仕事をしていたんだけど、何かの事故でそうなったって誰かから聞いた
そんな不幸にあっても、彼の母親は笑顔を崩さずに彼の面倒を見ていた
俺はちょっと怖いなとは思っていたけど、そこまで気にしてはいなかった
変な行動はするけど、何か事件を起こしたことは一度もなかったからね
で、本題はここから
ある日の学校の帰りだった
俺は自転車に乗って、家に帰っていた
その日は学校で友達と遊んでいたから、いつもより遅い時間だった
辺りはだんだん暗くなっていた
バス停近くを通りがかった時だ
田所さんがいた
一人だった
夕空を見上げて、何かつぶやいていた
薄暗い中、おっさんが一人空を見上げて何かをずっとつぶやく姿は、初めて見る人にとってはホラーでしかないだろうな
でも、俺の田舎では日常の光景だった
俺は特に気にせず、田所さんの前を通り過ぎた
その時、田所さんの声が耳に入ってきた
「助けてください。逃げられません」
え?
俺は自分の耳を疑った
俺はそのまま自転車をこいで、田所さんから少し離れた場所で止めた
彼は村の生け贄みたいにされたのか?
24歳、人柱です
田所様!?
投稿者尺八マンで草
田所さん!?まずいですよ!
ああ!逃れられない!