俺は病院に行きたい

俺は病院に行きたい
俺は病院に行きたい
俺は病院に行きたい

俺は唱え続ける

きっとこうすればその通りに動くはずだ

俺を奪った奴がここに来るはずだ

半年前
俺はいつも通りの日常を過ごしていた

ある日、俺の友達から電話がきた

「おお! 元気か!」

高校の友達のＡだった

「お前、戻って来てたんだったら言ってくれよ。久しぶりに飲みたいからさ」

いきなり訳の分からないことを言ってきた

「ん？　どういうことだ？　戻ってきたって？」

「いや、だから、こっちに戻ってきてるんだろ？　俺、スーパーでお前が買い物してたの見たんだよ。俺、声掛けたのにさっさと行っちまいやがって。東京にいって冷たくなったんじゃないか？」

俺は高校を卒業してすぐに上京して就職した
Ａはずっと地元にいる

どうやらずっと地元に戻っていなかった俺を見かけたから電話してきたということらしいが・・・

「いや、俺、そっちに戻ってないぜ」

俺は上京してから一度も戻っていないのだ
俺なわけがない

俺はそれは他人の空似だろうと説明した

だが、Ａは納得してなかった
間違いない。あれは俺だったと

「いや、そんなこと嘘ついても仕方ないだろ？　俺はずっと東京にいるよ。そっち戻ってるならちゃんとお前に言うよ。信じてくれよ」

俺がそういうと、ようやくわかってくれたみたいだった

「そうか・・・。いや、それにしてもそっくりだったんだけどな。じゃあ、あれは誰なんだよ」