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不思議体験

足が太いさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

「怖い話をしてあげようか?」
長編 2022/07/23 12:04 4,685view
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母の様子に「どうしてアリサちゃんを覚えていないの?」と不思議に思いながら、玄関を出てアリサちゃんに「ごめんね、今日は話せないからまた明日」と伝えようと思いました。
しかし、玄関を開けようとした瞬間、「あれ?アリサちゃんってどんな顔の子だったっけ」と、アリサちゃんの顔を思い出せなくなったのです。
アリサちゃんは中学からの友達で、何度も遊んでいて、つい最近も会って話したはずなのに…。
なぜか、玄関の外にいるのはアリサちゃんじゃない別人ではないか。
そもそも、アリサちゃんという名前の女の子自体、存在しないのではないか、なんてことまで考えてしまいました。

玄関の扉を開けられずに固まっていると、右手に持っていた携帯に着信がありました。
恐る恐る出てみると、「ねぇ、外に出てきてよ。一緒に遊ぼう」と、女の子の声が聞こえたのです。
その声はしゃがれていて、びっくりして思わず携帯を地面に落してしまいました。
携帯を拾えずにいると、玄関の扉をドン!ドン!ドン!と叩く音が聞こえてきました。
扉を叩く音とともに「開けて、○○ちゃん開けて、開けてよ、ねえ、アリサだよ」と、しゃがれ声が聞こえてきます。

怖くてその場にしゃがみ込み、耳を塞いで耐えていると、後ろから母の「入って来ないで!帰りなさい!」という鋭い声がしました。
その瞬間、扉を叩く音も、しゃがれ声もしなくなったのです。

振り向くと、鬼のような形相をした母がいて、仁王立ちで玄関の方を見つめていました。
そしてもう音も声もしなくなったのに気づくと、「あんた、何を連れてきたの」と、怒ったように聞いてきたのです。
私はしどろもどろになりながらアリサちゃんのことを説明すると、母はため息をつきながら「さっきのアレは、きっと交差点で事故に遭って亡くなった幽霊じゃないかしら。あなたのことを連れて行こうとしたのね」と言いました。
それから「そもそもアリサちゃんという子自体、存在しているか分からないわ。だって、そんな子家に来た覚えないもの」と言って、部屋に戻っていってしまったのです。

すぐ部屋に戻り、中学校の卒業アルバムを開きましたが、そこにはアリサちゃんらしき女の子が載っていませんでした。
中学の同級生にメールで聞いても、誰もアリサちゃんという名前の女の子を知らなかったのです。
あれから、家にアリサちゃんは来ていませんし、町で会うこともありません。
連絡先を携帯に入れていたはずが、どこにも見当たらず、結局夢だったのか何だったのか分からず仕舞いです。

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コメント(1)
  • 怖かったです。
    お母さんに助けられましたね。

    2024/04/21/16:25

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