『助けてください……。この動画を見てから毎日同じ夢を見ます。トンネルの中に血を流した女性が立っている夢です。それが、段々と私に近付いてくるんです』
震える右手でゆっくりとカーソルを動かしてみると、所々に同じようなコメントが投稿されている。
「俺の夢と……、同じ……?」
ポツリと小さく声を漏らしたその時、輝からの着信が入り俺は通話ボタンを押すと携帯を耳にあてた。
『──もしもし慶太? ここ最近学校来てないけど大丈夫か?』
「ああ……」
『覇気のない声だな、ちゃんと飯食ってるのか?』
そんな会話を交わしながらも眠い瞼を懸命に擦る。
『今からさ、飲み行かね? この間祝えなかったからさ、キャバクラでも行こうぜっ! 金なら俺が出すし!』
「いや、外は……」
『なんだよ、つれないなぁ』
普段なら迷いなく飛びつくその誘いも、今の俺からしてみれば拷問でしかない。ただでさえ眠気を我慢しているというのに、酒など飲んでしまえば確実に眠ってしまう。
『じゃあさ、い──』
「……? もしもし、輝?」
どうやら電波の悪い場所にでも入ったのか、突然切れてしまった通話。
「眠い……」
切れてしまった携帯を見つめながらポツリと呟いた俺は、もう一度パソコンを見ようと眠い瞼を擦った。
「──え?」
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