あれは今から五年ほど前のことです……。
私がまだ中学一年生だった頃の話です。
その頃私は友達と二人でよく遊んでいました。
その友達は隣のクラスの子でした。
ある日二人で学校の帰りに、近所の公園で遊んでいた時のことです。
その時の時刻は午後六時頃だったと思います。
「そろそろ帰ろうか」
「うん」
そんな会話をした後、私たちは帰路につきました。
そして私たちが公園を出て少し歩いた時です。
突然後ろから誰かに声をかけられました。
振り向くとそこには知らないおじさんがいました。
「やあ、君たち。ちょっとお兄さんとお話ししようよ」
その人はニコニコしながら言いました。
「ごめんなさい。急いでいるんです」
「いいじゃないか。時間は取らせないよ」
私たちは断ろうとしましたが、相手はしつこく言ってきます。
困っていると今度は相手の口調が変わりました。
「なんだよ、お前ら。俺のことをバカにしてんのか?」
どうも様子が変だと思って見てみると、さっきまで笑顔を浮かべていた顔からは表情が無くなっています。
目つきも鋭く変わっていて、まるで別人のような雰囲気でした。
それから相手が口を開きました。
「おいガキども! 言うこと聞かないなら痛い目に遭わせるぞ!」
あまりの豹変ぶりに怖くなった私たちは走って逃げようとします。
しかしすぐに追いつかれてしまいました。
「逃がすかっ!」
男はそう叫ぶなり私たちに向かって飛びかかってきました。
男の拳が私の腹に当たります。
私は痛みを感じてうずくまりました。
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