息子の話

この辺りで話題が変わってしまった。

たしかに私が勤めている会社はお酒を扱っている会社で、お酒を貯蔵する大型のタンクもある。
息子には仕事の話もした気がするが、どんな風に話したか覚えていない。
妙にリアルな話だったが、お酒がある部屋がどこを指し、さらに隙間が何なのかさっぱりわからなかった。

帰宅後、義母と夫に話すと、夫にもその話をしたらしい。
私の勤め先は自宅のすぐそばにあるのだが、夫と息子が散歩で脇を通った時に、例の「お兄ちゃん」の話をしたらしい。

その時も「真っ暗な部屋の隙間で死んでいる」と話したようだった。

こちらからその件を息子に聞くことはやめた。
こちらが食いつけば、息子は話を膨らませ盛大に嘘をつくので、詳しく聞いたりはしなかった。

息子の脳内ワールドと、現実が混ざってしまう「時期」である。
この話が彼のミステリー妄想なのか、感じたものなのかわからないが、どちらであってもすごいと思う母なのでした。