私は自分に会ったことがあります
投稿者:キノ (7)
短編
2022/06/05
02:36
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第一志望の大学に落ち、浪人中の時期、変なことがありました。
いつものように予備校に行って、授業のあと自習室で席を確保し、教科書を広げてからトイレに立った時のことです。
戻ってくると、自分の席に誰かがいます。
あれ、ここじゃなかったっけと番号札(受付でもらって、その番号の席に着くシステムでした)を見ると、確かに自分の席。
近寄って肩に触れ、「席間違えてますよ…」と小声で声をかけると、その人が顔を上げて振り返りました。
その顔が、全く自分そのものだったんです。髪型も、服もその時着ているものとは違ったけど私が持っている青いワンピースでした。
混乱してしまって「すみません!」と何故か謝りながら部屋を出て、10分くらいトイレで鏡を見ました。
真夏でしたが、手が震えまくり、汗だくで、心臓がバクバクしていたのをよく覚えています。
あの顔だ、でも少し影というか色が薄い感じだった…と思えば思うほど怖くて、受付のおじさんに頼んで一緒に席に戻ってもらいました。
しかし、その時にはもう誰も席にいませんでした。
あれがドッペルゲンガーというやつだったのでしょうか?
それとも、浪人生活で神経が参っていたために見た幻覚だったのでしょうか?
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