奇々怪々 お知らせ

妖怪・風習・伝奇

壇希さんによる妖怪・風習・伝奇にまつわる怖い話の投稿です

猫の入学式
短編 2021/02/02 21:54 8,811view
3

背後に気配を感じ見てみると、地面に先程の丸々とした狸が息絶えていた。
臭い死臭を漂わさせ、それに釣られたカラスが死肉に群がっている。

そうか、これが烏の誘いか。

私は群がるカラスを追い払い、狸の屍をよく観察してみた。
裂けたヘソから腹わたがはみ出ている。不思議ともう臭さは感じなかった。

私は狸の腹の裂け目に手を入れると、思いっきり押し広げた。

汚い血が溢れ出た。それが収まると、その奥には内臓はなく、深く奥まで続く真っ暗な穴が開いていた。

「早く来なさい。心の準備はできてるんでしょ?」

烏の声が穴の奥から響いた。

当たり前だ。覚悟などとうに出来ている。
私は七つになったのだ。もう後戻りはできない。

私は狸の腹に顔を突っ込んだ。
苦しくはなかった。生暖かい感触に吸い込まれるように、私は暗く長い穴を降った。

3/3
コメント(3)
  • 作者がこえーよ

    2021/02/03/05:14
  • 風変わりな作品で中々面白かったです

    2021/02/04/01:17
  • なんの比喩かわからない。
    作者の闇を感じる。

    2021/11/23/13:10

※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。

怖い話の人気キーワード

奇々怪々に投稿された怖い話の中から、特定のキーワードにまつわる怖い話をご覧いただけます。

気になるキーワードを探してお気に入りの怖い話を見つけてみてください。