仏壇の扉を開ける祖母
投稿者:pams (61)
先日のゴールデンウイーク中に体験した話しです。
まだまだ旅行や遠出をする気にはなれず、今年の連休も家で過ごすことになりました。
しかし、ひとつ気がかりが。県外の山奥に一人で暮らす叔母のことです。
電話は時々するものの、なかなか会えずにいました。
年始には「今年の連休は行くよ」と言ったものの、残念ながら行くのを断念。
しかし、叔母と同じ県に住んでいるいとこ家族が様子を見に行ってくれることになりました。
これで少しは叔母も気分転換ができると思っていた矢先、急用が入り行けなくなったといとこから連絡が。
もう3年も親族の誰とも会えていない叔母の気持ちを考えると少しかわいそうな気がしました。
そして連休初日のこと。仏間に行くといつもは閉まっている仏壇の扉が開いていました。
朝にお水をお供えするのでその時に閉め忘れたのかもしれないと思い、扉を閉めました。
そして朝食を済ませ、仏間を通り過ぎようとした時、また開いているのでおかしいなと感じ、家族に聞いてみると誰も行っていないとの事。
再び閉めて自分の部屋へ戻りました。部屋で小一時間仕事をしてお茶を飲もうとキッチンへ。
するとまた仏壇の扉は開いていたのです。
今度は家族を呼んで見てもらいました。仏間の窓は閉まっていて風ではない。一体なぜなのか全員で悩み、扉のネジが緩んでいるのではないかとも思い確認しましたが異常はなかったので閉めて、部屋に戻りました。
その晩、数年前に亡くなった祖母が夢に出てきてこういうのです。
「〇〇が(叔母の名前)寂しいと思うからちょっと気ぃつけてやってくれんか」この言葉をずっと繰り返すのです。
目が覚めてすぐに母に伝え、電話してもらいました。
するといつもは気丈な叔母が随分弱々しく喋り、誰かと話したかったと言い、2時間以上、母や私と話しをしました。そして話すのに疲れたようで「少し眠るわ」と言い、電話を切りました。翌日また電話をすると別人のように元気でいつもの気丈な叔母に戻っていて驚きました。
祖母が夢に出て来てくれなければ、叔母の本当の寂しさに気付けなかったと思います。
不思議なことですが、亡くなった祖母は今でも山奥に一人で暮らす叔母を心配しているんだなと思いました。
仏壇の扉は祖母の気持ちが動かしたのかもしれません。
良いお話でした