旧校舎の女子生徒
投稿者:剛毅 (5)
お守りを返す意味もよく分かっていませんが、「古くなったから、取り換えるんだろう。」くらいにしか思っていませんでした。
手にしたお守りを歩きながら生徒手帳に入れようとした時です。
春風のせいで、お守りを落としてしまったのです。
「あっ、やばい。」そう思って風で飛んでいったお守りを追いかけるため、数メートル走って難なくお守りを拾いました。
その時、何の気なしに旧校舎を見ると、2階の一室のカーテンが開いていたことに気が付いたのです。
そこに、影のような物が立っていたのです。
「あれ?」そう思った時には影は消えており、カーテンも閉まっていました。
それを見た瞬間。冷水をかけられた様に全身に悪寒が走りました。
もう一度見ても、旧校舎はいつも通りカーテンが閉まったままになっています。
「勘違い、勘違い。」そう自分に言い聞かせて、クラスに戻りました。
その夜、私は嫌な夢を見ました。
何故か季節は真夏。どこか分からない古びた一軒家の庭にいます。そこには見たことのない男女が7人くらいいました。
だけど、夢の中の私は彼らのことを知っているみたいです。
何百年も前に建てられた古い平屋の一軒家。そこには小さな池があります。家には誰も住んでいない様子ですが、池にはしっかりと水が入っています。
が、水が緑色に汚れていて魚はいません。
その池を私含めて全員で囲んでいます。
何かを始めようとしているのか。理由は分かりません。
その時です。ちょうど私の対角線上に立っている女性に目がとまりました。
最初にいたメンバーの中にはいなかったはずです。
長い黒髪。背は高くもなく、低くもなく。透き通ったキレイな肌。小顔のかわいい顔立ち。
同性でありながら「かわいいコだな。」と思っていると、その女性と目が合いました。
その女性が私に気が付いた時です。
女性は両目を見開き、口角を大きく上げると、別人の様な醜い顔でニタニタと笑いかけてきたのです。
目と口はどんどん大きくなっていき、そこからドロドロと流れる血と共に、終いには顔面のほとんどが目と口になって妖怪のようになっていました。
私は恐怖のあまり、周りのみんなに「あの人おかしいよ、ねえみんな見てよ!」と怒鳴りながら必死にアピールをしたのですが、私以外の人間には彼女の存在すら見えていません。
その間に女性は人間の顔に戻っていき、今度はこの世で一番憎いのはお前だ。といわんばかりの表情で私を睨んできたのです。
「コワイ・、コワイ・・、タスケテ・・・。」
薄れゆく意識の中で。私は必死に助けを求めました。
ふと気がつくと、私は自分のベッドで寝ていました。
女性の憎しみ溢れる顔があまりにもリアルだったので、それが夢だったと気がつくのに少し時間がかかりました。
よき
怖い