旧校舎の女子生徒
投稿者:剛毅 (5)
「良かった、夢だったのかぁ。」
横向きに寝ていた私は心の底から安心しました。春とは思えない程の汗で服がびっしゃりと濡れています。
水でも飲もうと思い体を起こそうとしたのですが、私の体は凍ったように動きません。
人生初の金縛りでした。
頭を上げたり、声をあげようとしてもビクともしません。
横向きのまま動けずにいると、おかしなことに気づいたのです。
長い黒髪が垂れている。
私の髪じゃない。
腕も1本多い・・・。
明らかに私の腕ではありません。
「えっ、えっ?」
理解できずにいると、耳元で息遣いが聞こえてきました。
その状況を理解した途端、私の恐怖はピークに達しました。
夢の女が、私を後ろから抱きしめている。
フゥ・・・、フゥ・・・。
規則的に聞こえる息遣いのような音。
いや、耳元で私に何か囁いている?
その腕は私の腕をさする様に動かしながら何かを囁いているのですが、私には何を言っているのか分かりません。
それどころじゃない私は必死に助けを呼ぼうとするのですが、言葉になりません。
その間も、女性は息遣いのこもった囁きを続けます。
「ごめんなさい。ごめんなさい。」
何をした訳ではないですが、女に必死に謝ります。
その時です。女の言葉が聞きとれたのです。
女はこう言っていました。
「コワイ・、コワイ・・、タスケテ・・・。」
確かにそう言っていました。
夢から覚める時に私が助けを求めた言葉と全く同じです。
その瞬間金縛りがとけた私は、ベッドから派手に落ち、驚いた両親が駆け付けた時には女性の姿はありませんでした。
私は夢の話をしましたが、当然両親は信じてくれません。
電気をつけた部屋を見回しても、女がいた形跡もありません。
よき
怖い