雨の中に立ち尽くす赤いワンピースの女性
投稿者:わかめ (10)
これは私が小学生の頃の話です。
その日は朝から天気が悪く、夕方には雨が降ってきました。
私はバスで習い事に通っており、窓から外を眺めていました。何気なく眺めていると、ふと赤いワンピースを着た髪の長い女の人が目にとまりました。雨が降っているのに傘もさしていない。
不思議な雰囲気の女の人だなと思ったのと同時に違和感を覚えました。そこは車両しか通れない道路だったからです。人が立っているなんてことはあり得ない場所です。
その頃は学校の怪談やオカルト系の話が流行っていて、見かけた女の人は、いわゆる「口裂け女」に似てるなぁと思いました。
その日の夜、私にとっては怖い夢を見ました。
記憶にはない森の中私は何かから逃げていました。その何かはターザンのように木から木へ飛び移り「私の首は~」と歌いながら迫ってくるのです。足がもつれて転んだ私の前に、それは枯葉の中から突然現れ、「私の首はここにありますよ」と頭部だけで話しかけてきました。夢の中の私はそこで気を失いました。
次の日、私が通う小学校の隣の中学校で事件がありました。生徒の自殺です。その生徒さんは女性で、首を吊っていたそうです。
当時子供だった私には事件の詳細は教えてもらえなかったのですが、雨の日に見かけた女の人と、夢に出てきた首を探していた人と、全くの無関係だったのかしばらく気になって寝付けない日が続いたのを覚えています。ひょっとしたら、何か未練があって誰かに訴えたかったのかもしれません。
ちょっとだけ予知能力があるとか