小さいころに出会った白い影
投稿者:わかめ (10)
短編
2022/03/22
03:02
866view
これは私が小さいころの話です。
母方の祖父母の家に泊まった夜のこと、真夜中にトイレに行きたくなって目覚めた私は寝室を出て廊下に出ました。
廊下にはその時、ぼんやりとした白い影がありました。
背丈は私と同じくらい、相手はただ存在していただけで特に怖いことはありませんでした。
私自身、何かいるなあと思いましたがそんなことより早くトイレに行きたかったため、相手を無視したのです。
その出来事は長い間忘れていたのですが、祖母の死をきっかけに思い出しました。
それは祖母が亡くなった後、仏壇の上にある神棚から3体の埴輪が見つかったのです。
なぜ埴輪が神棚にあったのか、理由を知ったのは落ち着いたころでした。
実はその埴輪は本当はこの世に生まれるはずだった祖母の子供、私から見ると叔父か叔母だったのです。
祖母は昔、子供を3人中絶したことがあったとのことですが母を含め二人の叔父は知らなかったとのこと。
しかし一人の叔父さんは小さいころ、本当はお兄さんになるはずだったと聞かされていたそうです。
私が見た子供のような白い影は一体何だったのか、もしかしてこの世に生まれるはずだった叔父か叔母だったのか。
ずっと彼らは傍にいたのかわかりません。
前のページ
1/1
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 5票
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。