正夢がもたらした悪夢のような現実
投稿者:せいん (8)
この話は私がまだ公務員だった頃のこと。
正夢とはまさにこのことで、夢が現実のものとなってしまった。
以前、私は長年の夢だった公務員として、九州の某県のとある市役所に入庁した。
喜びも束の間、入って早々にケースワーカーという役所有数のハードな仕事を任されることになる。
悪戦苦闘しながらも、2年で部署を異動。
異動先は、ケースワーカーとは全く畑違いの部署で、再び悪戦苦闘の日々。
役所には様々な部署があり、異動が正しく転職かのようにガラッと仕事内容が変わることも珍しくない。
役所に入る前から想定していたことだし、日を追うごとに異動先での仕事にも慣れてきた。
誤算だったのは、直属の上司。
温厚な人物ではあるが、とにかく押し付け・丸投げ・無茶ぶりのオンパレードだった。
本来なら上司が出席すべき重要な会議や高度な仕事を任されることが多々あり、確実に私の心身は疲弊していき、上司への怨念が募る日々。
寝ても覚めても上司の不幸を願うほどに気が触れ、遂には異動先で1年もたず2年余り休職することになる。
休職して数ヶ月が経ったある日のこと。
元上司が休日に趣味のバイクでドライブ中、交通事故に遭い、複雑骨折の大怪我をしてしまう夢をみる。
それから一週間ほどして、元上司が交通事故に遭った知らせを受け、正夢だったことを悟る。
結局、元上司は事故の後遺症で半身不随となり、常時、車椅子での生活を余儀なくされる。
障害者になっても未だに役所にしがみつく元上司。元上司を軽蔑しながも、自身の怨念がもたらした不幸かと思うと、ひどく後味が悪い。
しがみつくと言うよりも辞める必要がないのでは?