鍵のかかった部屋

これは私の姉の友人（A子）が体験したお話です。

私の姉は、看護師として働いています。学生時代、看護学部で一緒だった同級生は各々地元の病院に勤めました。
久しぶりに集まってお茶をした時に、背筋が凍る話を聞いたそうです。

A子の勤務先の病院は地方病院でそこまで患者が多いわけでもなく、昔からある病院だそうです。
その日、A子は夜勤でした。いつものようにフロア全体を見まわります。
患者さんも少ないので静かで不気味な廊下、、、でもそれにも慣れてきました。
ナースステーションに戻ってきて同僚二人と仕事をしていました。

、、、、「ビーーー」
いきなりナースステーションに鳴り響くナースコール。発信源は、患者のいない病室でした。
この病室は先週患者が亡くなってから空きだったのです。
「誰かのいたずらじゃない？」と同僚が言います。
「でも鳴ったから見に行かないと…」
A子は少し怖かったみたいですが、一番後輩なので見に行くことにしました。

やはり静かな廊下。ドキドキしながら角部屋の病室に向かいます。室内に着き、中に入って見回します。

「さっきも見たけどやっぱり異常なしね。ただのいたずらかな。それともナースコール壊れてるのかな。」
とりあえずほっとして、室内から出ようとしたその時

なんと鍵がかかっていたのです。

鍵は内側についており、同じ部屋にいないとかけることができません。A子は背筋が凍りゾッとしました。

この部屋に誰かいたんだと。

その後鍵は開けることができ、室内から出られたみたいですが、そのことがトラウマでA子はクリニックに転職したそうです。

あの部屋には一体誰がいたのでしょうか？