廃旅館からの誘い
投稿者:バクシマ (40)
これは私が東北地方のとある廃旅館に宿泊したときの不思議な体験です。
発端は祖母の葬儀の後、遺品整理したら大正時代の旅行案内雑誌を見つけたことでした。
その雑誌は当時としてもハイカラらしく、旅館などを描いた、綺麗な挿絵がたくさん描かれていました。
中々に見応えがあり、ペラペラと、雑誌をめくっていると、とあるページで指が止まりました。
そこには読者からのお便り記されていて、その中に
「ワタクシも今度旅館を開こうと思います。時期は昭和20年の春を考えています。御宿泊希望の方は、どうぞ電話番号〇〇〇まで」という投稿がありました。
おかしなことです。
雑誌は大正時代発刊ですから、昭和の年号をこの時代に知る人がいるはずありません。
私は興味が惹かれ、その電話番号にかけてみることにしました。
「おかけになった電話番号は現在使われておりません」
というメッセージが返ってきました。
そりゃそうだと、遺品整理を続けていると私の携帯に着信がありました。
「・・先程お電話いただきました〇〇旅館です・・・御宿泊の予約ですね・・」
それは、この世の全てに絶望したような暗い声でした。
私は、今起きている怪異に、恐怖で全身が固まりました。
すぐに電話を切るなり投げるなりすれば良かったのですが、
生来に物事を断れない性格であることと、思考が恐怖で停止したこともあり、つい、
「・・はい、バクシマと申します。それでは○月○日に男性1名で宿泊します。・・・3泊4日です」と応えてしまいました。
「はい・・・承りました・・.それではバクシマ様・・心よりお待ちしております・・・」
そして電話は切れました。確認してみると着信履歴には記録が残っていません。
不思議と、それは怪異からの電話なのだからと変に納得してしまいました。
・・この時すでに私は取り憑かれて、おかしくなっていたようです。初めての東北地方巡りだからと、腰を据えて3泊予約するなど正気の沙汰とは言えないでしょう。
「せめて、1泊2日だろうよ」
私はひとりうなだれました。
「いっそのこと、無視するか・・」
僅かな理性で、今後この怪異とはもう関わらないようにしようと決めました。
しかし、予約日まで一週間を切った深夜のことです。
私の携帯に電話がかかってきました。着信元をみると、メチャクチャな文字列でした。直感的に、あの旅館からの電話だと気づきましたが、前述のように私はもう狂っていたようです。急に頭に「もや」がかかりました。
私は駐車場の利用有無でも聞かれるのかと、つい応答のボタンを押していたのです。
「・・もしもしバクシマ様ですか・・・」
それは地獄の底からのうめき声のようでした。
私は恐怖で奥歯をカタカタと鳴らせながら
「は、はい・・な、なんでしょう・・」と応えました。
すると電話口から、呪詛そのものかと思うほど、なんともおぞましい声で
「誠に・・・申し訳ありませんが・・この戦時中のさなか・・従業員も兵役に取られまして・・またお出しする料理の材料の調達の見通しも立たず・・御宿泊の取り止めを願えませんか・・・」
私は何故か、無性に腹が立ちました。
私の脳は恐怖で何も考えられなくなっていましたが、終戦はもう何十年も前であることから、向こうの言い分は意味不明であることくらいは分かりました。
さしづめ、うっかりダブルブッキングしてしまったものだから、常連客を優先し、適当な理由をつけて私の予約を強引にキャンセルさせようとしていると直感しました。
「・・なんですかそれ。今から休暇シーズンに他所で予約を取ろうったって、すでにどこも予約いっぱいだろうし、直前だと値段も高く取られるかもしれないじゃないですか。絶対にそちら行きますから部屋を用意しておいてくださいね。それと、禁煙の部屋ですよ。夕食は七時。あとマンゴーはアレルギーです。」
・・そして私は電話。ブツッと切ってしまいました。
電話を切ると、途端に頭が冷静になりました。
洒落怖の旅館の求人を感じる
申し訳ないが
恐いと言うより笑えた
恐怖の極みのはずの会話の最中に
マンゴーアレルギーを言うかwww
投稿者様は友人と廃旅館に再度訪問してでしょうか?
んで投稿者と友人は廃旅館に再訪した話をお願いします。
部屋で焚き火したの?
旅館側からしたら面倒臭い客だから来てほしくないわな…
なるほど、二度と来てほしくないと思わせれば呪われることもないのか。
怖い話の大半は、この方法で解決できるのではないだろうか(笑)?
秋田の乳頭温泉(混浴)
ここは笑うとこなのかな!?