きっとそうやって生きてる人間を弄んで殺す悪霊の類。
俺はあの日、自室でひょっこりさんを見つけた時から標的にされていたのだと理解した。
そして、にたにたと笑うひょっこりさんが初めて口許を動かし何を言おうとしているのに気づき注目する。
『またあそぼ』
そう言い残すとひょっこりさんはその場から消えていく。
まるで霧が晴れるように、忽然と消えたのだ。
ただ、消える瞬間のひょっこりさんの顔色はとても血色がよく爽やかな印象を受けたので、俺は図らずも見とれてしまったようにひょっこりさんが居た場所をその後もボーっと見つめていた。
それから警察に事故の通報をして後処理をし、友人たちにも土下座する勢いで謝罪するのだが、友人たちはそれぞれ「なんか変なの見たような」とか「いや、気のせいか」と何度か頭を振って記憶を整理していた。
それ以来、俺はひょっこりさんを見かけていない。
ひょっこりさんの顔も思い出せなくなった。
あれほど頻発していた事故は一切起きる事もなく、平和な日常を取り戻し、何も変化のないまま高校を卒業した。
そして、新年度を迎えた俺は郊外で一人暮らしをし始める。
新しい場所で新生活が始まり、新しい友人たちに囲まれて、新たな日常を桜花するのが楽しみでならない。
ただ、一つ気がかりなのが、あれ以来現れなかったひょっこりさんが最近になってまた視界に入るようになった事だ。
再び俺の周りで事故が起こるのか、はたまた、今度こそ俺をあの世に引きずり込もうとやってきたのか。
忘れかけていたひょっこりさんの顔を思い出した時、何かが変わるのだろうか。
何れにせよ、俺に出来ることは何もないと知り、ただ気を引き締めて玄関を開ける。
さあ、ひょっこりさんとの新生活の始まりだ。


























普通に面白い
こわい
おもしろい
後から今までの考えが一気にひっくり返されるところが恐怖
なぜ最後冷静?
最後の一文のほうが怖い
これはフィクションですか?
ちょっとかわいい
この話は知人から聞いた話です。
-with
最後これからラノベでも始まりそうな爽やかさがあるのが草
続編は?