真夜中の訪問者
投稿者:邪神 白猫 (7)
長編
2022/04/01
13:15
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———ドンドンドンドンドン!!
その日もやはり、真夜中に突然鳴り響いた轟音によって叩き起こされた。
驚きに瞳を大きく見開いた里美は、私の顔を見ると口を開いた。
「これが……例の、あの音?」
「っ、うん……」
カタカタと震えながらもそう答えれば、唇を小さく震わせた里美が再び口を開いた。
「本当に……誰も……、いないの?」
誰かが叩いているとしか思えないその音に、里美は私の顔を見つめると小さく瞳を揺らした。
「うん……っ、いない……」
そう口にしてみると、改めて”幽霊”というものの存在に恐怖が増してくる。
「でも……もしかしたら、下に屈んでるとか……。見えないようにし——」
———ドンドンドンドンドン!!
———!!!
里美が言い終わる前に、再び鳴り響いた轟音。
その音に驚いた私は、思わず隣にいる里美の手を握った。その手からは明らかに自分のものとは異なる震えが伝わり、里美の恐怖まで私の中に伝染する。
「……っ、ねぇ……澪。確認してみよう……?」
やはりその目で確認しないことには納得ができないのか、里美はそう告げると私の手を引いて玄関へと向かった。
そっと玄関扉に手を触れると、ゆっくりと覗き穴に近付いた里美。
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