相席した人の様子がおかしい

私がはっとして顔を上げると同時に、その男性はサッと席を外して違う車両へ去っていきました。
顔をまじまじと見たわけではないので分かりませんが、私はその声に聞き覚えがありました。
夢の中で「ーまたのご利用お待ちしておりますー」そう言って、私を見送った車掌さんの声にそっくりでした。

私はその後、真っ青になってひと時も眠ることなく、実家まで帰り着きました。
眠ってしまって終電まで行きついてしまったらと考えたら怖くなったからです。
あの電車での出来事は本当に夢だったのでしょうか。

もしかしたらあの電車は本当にあって、相席した人はあの電車に乗ったせいで亡くなったのではないかと思っています。
そしてもし私があの時、終電間際に下車しなかったら、私も相席した人と同じ目に逢っていたのではないかと思ってしまうのです。

いつもと何かが違うおかしな電車に乗ってしまったら、気を付けてください。
終電までたどり着いたら命の保証はありません。
私はあの時、本当に精神的に弱っていました。
ギリギリで下車できた奇跡に感謝します。