笑いが止まらない怖い話大会
投稿者:パティ (6)
この話は、今から30年以上も前の私が大学生だった頃の出来事になります。
これまで、この出来事を人に話すのが、何となく嫌な感じがしていたので、ずっと私の胸の内にしまっていました。
当時はバブル真っ只中で、社会全体が浮かれている時代で、三高やワンレンボディコン、マハラジャ等など、もちろん大学生も浮かれて、DCブランドを着てダンスパーティーしたりしてバブルを満喫していた、そんな時代でした。
当時私が大学で所属していたサークルはオールシーズンスポーツサークルで冬はスキー、そして春から秋はテニスをするといったサークルでした。
例年、夏休みに入るとテニスの夏合宿として山中湖へ行くのが恒例になっており、宿泊する施設も代々サークルがお世話になっているペンションに宿泊することになっていました。
その年も例年どおりにそのペンションを予約しておりましたが、急にオーナーの方が体調を崩したとのことで宿泊する事が出来なくなり、急きょ他のペンションを探すことになり、色々と探して、なんとか別のペンションを予約すること出来て夏合宿を迎えることが出来ました。
サークル仲間の車に分乗して夏合宿の山中湖へ到着し、初めて利用するペンションへと向かいました。
そのペンションはペンションが密集している山中湖周辺エリアから少し離れた場所にあり、周りは林に囲まれて、ペンションの建物は思っていたよりもキレイで、オーナーの方は、脱サラして中古のペンション物件を購入して、念願のペンション経営されている50代くらいのご夫婦でとても気さくな方で暖かく迎えて頂きました。
そして、いよいよ夏合宿がスタートしました。
夏合宿は2泊3日の日程で、1日目の昼間はテニスに汗を流し、夜はオーナーの腕を振るった美味しい手料理に満足し、軽くお酒を飲んだりして、無事に何事もなく一日が終わりました。
夏合宿2日目も昼間はテニスのトーナメント戦をしたりして汗を流して過ごし、そして夜は合宿の打ち上げを兼ねての宴会を行いました。
美味しい料理とお酒によって、みんな気分も盛り上がり、カラオケやゲームをしたりして時間もあっという間に過ぎていきました。
1次会も終わり、そして部屋に戻り4年生だけで部屋に集まって2次会を始めました。
そして、いつものパターンで怖い話大会が始まりました。
一人ひとり持ちネタの怖い話を披露していくのですが、その時は異常な位に盛り上がり、途中からは、なぜか皆んな笑いが止まらないという状態になりました。
何も面白いことがあるということでは無いのに、みんな笑いが止まらない、何かに取り憑かれたように異常な位に笑いが止まらないという状態になりました。
今考えても、どうして笑いが止まらなかったのかは謎です。
後にも先にもあのような笑いの現象はあのときだけです。
怖い話をしている途中から気になっていたことがあって、何となく窓の外に誰かがいるような、ぼやーんと白いモノが動いているような感じがしていましたが、その部屋は2階なのでありえないので、酔のせいもあるのだろうと思ったり、そして、なんとなく何か言葉に出すのが怖くて、その時は黙っていました。
最後には、みんな笑い疲れたのと飲みすぎたせいで、深い眠りにつきました。
朝起きて軽い二日酔いの中、夏合宿も無事終わり、帰路へと向かう途中で、ふと友達が
「昨日は盛り上がったよね。しかし、何であんなに笑いが止まらなかったんだろう?良く百物語をすると霊が寄ってくるとか、霊現象が起きるなんていうけど、俺達が霊を馬鹿にするような感じで話していてことで霊が寄ってきたのかも、あの時は怖くて言えなかったけど、何か白いモノが窓の外に見えたんだよね。ハッキリとは何かはわからなかったけど、たぶん気のせいだと思うけど、気持ち悪かったし、強かった。」
と話すのを聞いて、私は背筋が寒くなり、恐るおそる私も
「実は俺も何となく窓の外に白いモノが見えんだよ。自分だけだと思ってたんから黙っていたけど、あれは何だったんだろう」
と話すと車中の中、全体に何とも言えない雰囲気となった後で、どこからともなく「二度と来るな」という男の声が聞こえたと思った瞬間、何の障害物も無い一本道で車がハンドルを取られて、道路を逸脱して車が宙に舞い、車はひっくり返ってしまい車の中はパニック状態となりました。
たまたま脇が畑だったのが幸いして、みんなケガも無く、車外へと脱出しましたが、逆さまになった車はどうすることも出来なく、携帯電話も無い時代だったので、歩いて近隣の住宅を探して、事情を話して電話を借りてレッカー車を呼び、レンタカーを手配してもらって、何とか帰路へと向かいました。
もう帰りの車内はシーンと黙り込んだ状態で、私が車が事故る直前に「二度と来るな」という声が聞こえたことを話すと、同乗していた5人中3人が同じく声が聞こえたと言うので、余計になんか怖いというか、何とも言えない気持ちに襲われました。
「二度と来るな」ということは、やはり霊を死者を馬鹿にしたようなことが良くなかったのかもしれません。
帰る途中の道中で、「わナンバー」の車だったせいか、ヤンキーに走行について因縁をつけられ、一人が殴られるということも起きました。
これは霊現象とは関係ないかと思いますが、やはり何か気持ちが良くなかったです。
わナンバーで絡まれるのは理不尽