三輪車の女の子
投稿者:トプス (1)
これは、友人のA君が体験した怖くも切ないお話です。
その日、A君は彼女と車で、デートを楽しんでいました。
夜も更けてきたので、そろそろ帰ろうかという時、一本の道に迷い込んでしまいました。
街灯も少なく、薄暗いどこか不気味な道でした。
しかしなぜか、A君はその道の先に、何があるのか気になり、進んで行ってしまいました。
すると、少し行ったところにホテルらしき建物が見えてきたそうです。
こんな所にホテルなんてあるのかと不思議に思いましたが、夜も遅くなってきてしまい、
運転の疲れもあるし、今日はここに泊まろうということになりました。
入っていくと受付がありましたが、誰もいません。
「すみませーん!泊まりたいんですけどー」
呼んでも誰も来ないので、仕方なく出ようかと彼女と話していると、えーん、えーん、とかすかに小さな女の子の泣き声が聞こえてきます。
「え…今、夜遅いし、こんな所に小さな女の子いるわけないよね?」
彼女と顔を見合わせていると、その泣き声がどんどん大きくなってきて、こちらに近づいてきている気配がしました。
「ねぇ、やばくない?早く出ようよ」
「そうだな」
A君と彼女は怖くなり、急いで車まで戻り、車を走らせその場を後にしました。
「怖かったぁ、何だったんだろうね、あれ。」
そんなことを言いながら窓の外のサイドミラーを見た彼女が、
え!?と言って突然後ろを振り向きました。
「ねぇ!嘘でしょ!やばいよ!もっと早く!早く走って!」
と悲鳴をあげたので、驚いたA君もバックミラーで後ろを見て、衝撃を受けました。
なんと、三輪車に乗った小さな女の子が、走っているA君の車を追いかけてきているのです!
彼女はパニックで泣き喚いています。
A君も無我夢中で車を走らせました。
どこをどう走ったのか、どれくらいの時間、走っていたのかわかりませんが、A君がいつも行くコンビニの明かりが見えた所で、やっとA君のアパートの近くまで来れたんだと気づきました。
恐る恐る振り向くと女の子の姿はありません。
二人ともほっとしました。
彼女が、一人で家にいたくないというので、A君宅に泊まらせることにしました。
二人で家に入り、一先ず飲み物でも飲んで落ち着こうと、キッチンに向かうと
ホテルが実は廃墟だった系の話好き
女の子が追いかけて来て部屋に入ってくるところとか想像してしまって怖かった
ただの怖い話かと思ったら、せつないストーリーがあって、心が苦しくなりました。女の子が成仏しますように。
彼女が悲惨ですね