優しくて自慢の友人
投稿者:C (15)
私には物心付いた頃から一緒に育った幼馴染の真由美がいます。真由美はとても優しく美人な上に勉強も運動もよくできる、自慢の友人でした。
何の取り柄もない私にはもったいないほどで、しかしそれを口にすると「卑下しないで」と慰めてくれます。
しかし中学に上がる頃から変化が起きだします。私が好きになった男の子と真由美が付き合いだしたのです。
一人だけならただの偶然と納得できますが、二人三人四人と続くうちに真由美がわざとやっていると気付きました。
しかし生来気弱な私はブスの僻みと嗤われるのが嫌で直談判もできず、片想いの男子と真由美が仲良くしているのを見ているしかありません。
真由美と離れようとしたこともありますが、彼女は私の行く先々に付いて回りました。高校も大学も当然一緒、就職先まで同じです。
そんな私にも漸く恋人ができました。彼はとても優しく誠実な人で、付き合って一年目に結婚を決めます。
ところが……
「ごめん、真由美を好きになったんだ」
またしても真由美に恋人をとられました。嫉妬に狂った私は、不在時を狙って真由美の部屋に押しかけました。
自分でも陰湿だとあきれますが、留守中に彼女の部屋をめちゃくちゃに荒らして復讐しようと思ったのです。
クローゼットを開け、絶句しました。
何故なら壁一面に私の写真が貼ってあり、私が捨てたはずのぬいぐるみや服が飾られているのです。
「ばれちゃった」
振り向くと真由美がおり、私をクローゼットの中へ突き飛ばしました。
「何で思い付かなかったんだろ?他のヤツにとられたくないならしまっとけばよかったんだ」
現在、私は真由美に飼われています。
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