「まてまて地蔵」の呪い
投稿者:ナナシー (36)
短編
2022/01/26
00:32
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九州に自殺名所として知られる、「赤橋」と呼ばれる鉄橋がありました。
「赤橋」からの自殺者は本当に多かったらしく、鉄橋の上からは落下防止ができないようになっていたので、橋の両端から少し降りた所から自殺する人がいたそうです。
そこに、「まてまて地蔵」という、自殺を思い留まらせる為の地蔵が祀られていました。
ある日、怖いもの好きの後輩と一緒に、まてまて地蔵の所まで行くことになりました。
後輩は地蔵の前に到着するやいなやネタづくりと称して地蔵の左顔を思いきり蹴ったのです。
さすがに怖くなり、後輩を諭してすぐに車に乗り帰路につきました。
次の日はちょうどサークルの合宿があり、この後輩も参加予定だったのですが、できなくなったとの連絡があったのです。
理由を聴くと、顔面が赤く腫れ上がっていて、原因が分からず一旦入院になったとのことでした。
電話口で「左顔面がメチャクチャいたいんすよ。昨夜、俺があのお地蔵さんになった夢を見たんです。夢で俺自身から蹴られて、起きたらこうなってたんすよ。」と、後輩が声を震わせながら話すんです。
あれはお地蔵さんが後輩に憑依して、呪いを与えたんではないかと、今でも思い出すとゾッとします。
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