我が子の身代わり
投稿者:6second (5)
短編
2022/01/22
09:57
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数年前に帰省した時、実家の祖母から聞いた話だ。うちの地元には昔から地元の人に親しまれている神社がある。。この神社には初詣に行ってはいけないというルールがある。そういった暗黙の了解があること自体はそんなに珍しいことではないだろう。ところが祖母によるとそれを破った人が昔一人だけいたらしい。
その人には一人息子がいて、数年前に太平洋戦争で出兵していた。自分の子供に無事帰ってきてほしかったその人は、「バチが当たるから絶対にやめておけ」と周囲に止められたにも関わらず終戦の年の元旦に初詣に出かけた。神社の階段を上っていると、どこからか「帰れ、帰れ」と声がした。それでも彼女は静止の声を振り切って神社に参拝したそうだ。
やがて日本は終戦を迎え、その人の息子はふるさとに帰ってきた。アメリカ軍の捕虜になって戦死を免れて日本に戻ることができたのだ。ところが彼を迎えてくれるはずの母はどこにもいなかった。地方都市にも及んだ空襲で爆弾にやられて命を落としていたのだった。彼の母親は自分が神社に行った時のことを近所の人々に話していた。そこで初めて母が自分を犠牲に助けてくれたことを知ったのだった。その人は自分を犠牲にしてでも、息子に元気で帰ってきて欲しかったのかもしれない。
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初詣に行ってはいけない神社があるのね、それ考えると、神社って好きになれないですね。
神社って何の為に有るのかしら?