原因不明の寒気と鳥肌、その原因がわかった日
投稿者:6second (5)
特に霊感があるわけではないものの、昔からふとした瞬間に寒気がし、原因不明の鳥肌が立つことがあった。
どういうきっかけで起こるのかは全く読めず、起こる度に首をかしげていた。
大学生の頃、アルバイト先へ通うために利用していた大きな橋があった。
そこは幅の広い川にかかる大きな橋で、歩道にも余裕があり、自転車で悠々と走ることができた。
帰宅が深夜になってしまったある日、いつものようにその橋を自転車で通過しようとした。
ちょうど橋の中間あたりに差し掛かったとき、例の寒気がし、全身に鳥肌が立つのがわかった。
それ以来、深夜にその橋の、その場所を通ると、必ず寒気と鳥肌がするようになった。
寒い冬の日にはもちろん、真夏であってもだ。
そんな現象にも慣れ、気にもしなくなってきた頃、アルバイト先の先輩が経験したという怪談話を聞いた。
先輩はその日、友達と遊んでいて夜遅くなってしまったそうだ。
友達を家まで送るため、車で大きな橋(例の橋だ)を通りかかったところ、中央あたりの歩道で橋から川面を見下ろしている人がいたという。
特段気にせずに通り過ぎたが、同乗していた友達が「おい、今の見たか?」と聞いてきた。
何のことだと返す先輩に対して友達が言うには、その人物はこちらに背中を向けている姿勢だったものの、顔はこちらを向いていたらしい。
ある日、先輩の車に乗せてもらう機会があり、偶然その橋を通りかかった。
「あ、あそこが例の場所だよ」そう言って先輩が示したのは、いつも寒気と鳥肌がする場所だった。
それ以来、深夜にその橋を渡るのはやめることにした。
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