お地蔵さんと雪だるま
投稿者:キミ・ナンヤネン (88)
「仏の顔も三度まで」
この言葉を実際に体験したというDさんの話です。
Dさんはマイカー通勤をしていますが、その日は数年ぶりの大雪でした。
と言っても積雪量は1~2センチで、途中の大通りの路面は雪が溶け、ノーマルタイヤでも普通に走れました。
とはいえ、道路の端や歩道などにはまだ雪が残り、少しでも脇へそれると危険だという事はわかりました。
帰宅する時に大通りを通っていくと、右側にコンビニがあり、その手前を右折した路地の先にDさんの自宅があります。
車の運転には自信のあるDさんは、ノーマルタイヤにも関わらず、いつもの感じで右折して路地に入ろうとしました。
ところが、ちょうど路地に入るところはまだ雪が残っていて、車はうまく曲がれずに滑っていきました。
滑った先にはガードレールがあるのですが、運よくその横にあった雪だるまにぶつかって車は止まりました。
Dさんは車を降りて周囲を確認すると、幸い車に大きなダメージはなく、Dさん自身も怪我はありませんでした。
その雪だるまは、車がぶつかった部分は多少削れていたものの、何とか原型を留めていていました。
「雪だるま?そういえばこのガードレールの横にお地蔵さんがあったはずだが…。」
Dさんは雪だるまとガードレールの間にあった雪の塊を手で払うと、高さが50センチほどのお地蔵さんが現れました。
その台座には「交通安全」と文字が掘ってあります。
「やっぱりか…。ありがとう。」
Dさんがここで怪我をしそうになったのは初めてではありませんでした。
最初は、小学校1年生の雪の日でした。
放課後に校庭で友達とひとしきり雪合戦をした後、妙なテンションで帰宅する途中の事でした。
この角を曲がって路地を通ろうとしたところで足を滑らせ、後頭部から転んでしまいました。
ランドセルがあるとはいえ、頭を打ちつけそうな勢いで転んだのです。
ただ、その先には雪だるまがあって、うまい具合に受け止めてくれて怪我はしなかったという事です。
その時には、すでにお地蔵さんはあったと言います。
2度目は、高校生の時でした。
学校へは自転車で通学していましたが、これもある雪の日の事でした。
学校から帰る途中、この角を曲がろうとした時に路面が凍結していた事に気づかず、転倒して滑ってしまいました。
滑って行った先には雪だるまがあって、運よく受け止めてもらう形で止まることができました。
自転車は壊れることもなく、Dさん自身にも怪我はありませんでした。
雪だるまの傍らには、やはりお地蔵さんがあったという事です。
Dさんは次の日も、仕事が終わるといつものように帰宅していていました。
雪は昨日よりも多く降っていたので、いつも以上に慎重に運転していました。
1~2cm程度の降雪で、この状況にはならない。読んでてシラけました。
もう少し、ちゃんと設定考えましょう。
読んでいただいてありがとうございます。
1~2センチの積雪というのは気象庁やニュースによるもので、実際にはもっと降っていることもあります。
おとといの雪の日が、まさにこの状態でした。日陰になっていたり、まだ雪が溶けてない道路をノーマルタイヤで走ると、結構危ないですよ。
作者より
私は雪がめったに降らない地域の出身ですので細かい設定は気にならず、ほっこり怖くて良かったです。
誰だお地蔵様をどかしたのは!(怒)
少しの積雪でも気温により凍って滑ることあるのは宮崎生まれの私でも知ってる。