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fatcatさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

最古で最恐の明通トンネル
長編 2021/12/27 15:13 4,480view
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現役最古であり最恐の国道トンネル。
長野県にある「明通トンネル」1市2村にまたがる青木峠に不気味な雰囲気を放ちながら現存する、このトンネルは上田と松本を結ぶ交通の要所となっており、明治23年3月に開通した日本最古の国道トンネルというのがこのトンネルの表向きの顔、だが、このトンネルは身の毛もよだつ最恐の心霊スポットという裏の顔も持っている。

ここでは以前私が心霊スポット巡りをしていた時に明通トンネルは訪れたことがあり、そこで起きたことを話していこうと思う。

まず、私の体験を話す前に、何故心霊スポットとして噂されるようになったのかを説明してこうと思う。

実は青木峠には昔から事件や事故がいくつもあった。
明通トンネルで心霊現象があると噂されるのは、こうした事実に基づいた事件や事故が原因ではないかと言われている。

また、数々の事件や事故の中で特に代表的なものは以下の2つが挙げられている。
「恋人関係の若い男女が焼身自殺」「1989年5月に起こったバラバラにされた親子」
見るからに想像を絶する内容の事件で、特にバラバラにされた親子の事件は当時かなりの注目を浴び、母親が11箇所も刻まれて子供も締殺されていて、しかも犯人は被害者の夫で事件後に逮捕されニュースにも取り上げられている。

これらの事件以降、心霊体験をしたという多くの人の声が寄せられるようになった。

また、この事件だけでなく青木峠付近は自殺の名所としても有名であり、そうした経緯もあって今は心霊スポットとして明通トンネルが有名になっている。

これらの話を聞く限り、心霊現象があるなしに関わらずこの場所に何か問題があることが分かると思う。
人為的、心霊的、いずれにしても危険な場所であることには違いない。

そしてこの話を知っている人で、ここを通らなくてはいけないなら夜中ではなく日中を大体の人は選択するのでは無いだろうか。

これらの噂を耳にした当時の私(20代)は、有名な心霊スポットと聞き、心霊スポット巡りを趣味としていた私は友人と共にあえて危険な深夜に明通トンネルに訪れた。

ここからは当時この明通トンネルであったことをなるべく正確に話していこうと思う。

ありきたりな話、本当にあるのか懐疑的な考えの方は多いと思う、実の所本当か嘘か実体験をした本人ですら未だ答えが見えていない。
ただひとつだけ明らかな事実がある、あの時触ったあの冷たい手の感触は30代になったいまでも忘れられない。

このトンネルは山奥にひっそりとあるため、当時の私は友人と一緒に車で、暗い峠道を進んでいった。

山道で深夜、周りは街灯などなく真っ暗で、ライトが消えたら何も見えないんじゃ無いかと思うくらいの闇がすぐそこにあった。

進む道も景色は同じで、いくらすすんでも例の場所には着かず、恐怖が段々と強まってきていたのもあり、もういっそこのまま辿り着かなければいいのにと思っていたくらいだった。

しかし、希望とは裏腹に目の前に例のトンネルは表れてしまった。

周りは静寂に包まれ、風もなく虫の音すらも聞こえないほどに静まり返っていて、現実では無い別世界に入り込んでしまったと錯覚するほどだった。

車のライトで照らされているトンネルは、所々老朽化していて、細かな亀裂や汚れが目立つ、トンネル内は明かりが一切なく先が見えない、無音の中滴る水の音が時折「ぴちゃ、、ぴちゃ、、」と聞こえてきて、周囲の雰囲気と合わさって一層怖さが増していった。

あまり長くいる予定ではなかったので、車をライトをつけた状態にして中へ入っていった。

中へ入ると先ほどは見えなかった出口が薄っすら見えてすこし安堵したのを覚えている、心なしか外に比べてヒンヤリ寒く感じ、これ以上進んではいけないと身体は警報を鳴らしているように感じた。

いつも以上に重い足取りを慎重に進めていき、体感時間だと1時間以上たっていると思うくらい長い時間に感じたが、ものの数分で出口までたどり着いた。

道中特に変わったことはなく、後はもと来た道を戻るだけだったので少しホッとしたのを今でも覚えている。

帰り道、友達も同じ気持ちだったのか、それともまだ恐怖が残っていたのか、ふと私の手を握ってきた。
なぜ男同士で?と思ったが、よほど怖かったのだろう、力強くしっかり握ってきたその手は冷たかった。

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