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心霊

ぴさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

事故物件”ではない”私の部屋で
長編 2021/12/15 21:44 3,443view
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なんとなく家族で引っ越してきたのかなと予想していたので、残業終わりの夜の10時に電気が消えていることには違和感がありました。

まだ完全に入居しているわけではないのかと思って、私は自分の部屋に入ったんです。

入ってテレビをつけて、コンビニで購入したお弁当を食べようと準備していたら、キーンとまた耳鳴り。そして隣からまた小さな笑い声が聞こえてきました。

「あれ?もうやっぱり入居しているの?」と私は疑問を抱きました。

電気が消えていたので、てっきりまだ入居前かと思っていたけど、やっぱり声が聞こえます。

「何だいるじゃん」と思って、私は不思議に思いました。電気が消えていたのはもう寝ようとしていたのでしょうか。

夜の10時にみんな就寝するようなそんな家なのかなと不思議でした。

特に話し声を聞こうと耳を澄ましていたわけではありません。

だけど、勝手に耳に飛び込んできた声が物騒でした。

幼い子どものような声が「火事だよ!火事だよ!」と言っています。

これを繰り返しているんですよね。しかもすごく淡々と。

何かテレビを見ているのかと、チャンネルをいくつか変えてみたけど、そのような番組もやっていません。

そればかりいう子供たちの声はすごく不気味に聞こえて、私はちょっと寒気を感じました。

その日はすごく疲れていたのかすぐに就寝し、私はまたキーンという耳鳴りに目覚めたんですよね。

目覚めると一面真っ赤で、私は驚きに飛び起きました。

「熱い」と思ったのはそれはそうです。

周りが熱風に包まれていましたから。

火事のサイレンが鳴り響いていて、私の部屋は炎に包まれていました。

逃げようとしても周りがすべて火に包まれているのです。

どこにも逃げることができません。

焦って、窓を開けようとしたけど、ぜんぜん開かなくて、私はひたすら「助けてー」と必死で外に向かって叫びました。

隣の部屋から子供のすすり泣く声が聞こえました。

誰かが必死でどんどんと激しく壁に何かをぶつけるような音も聞こえました。

朦朧とした意識の中で、私は「もうだめだ」と涙が出ました。

はっとして、目を開けたら私は布団の中。

真っ先に確認したのは部屋が燃えていないかということです。

何事もない部屋を見て、私は心底安堵しました。

全部夢だったのかと私はほっとして、「多分昨日の子供たちの話し声のせいかな」と思いました。

そして気持ちを切り替えて仕事の準備をして私は家を出ました。

隣の部屋はガランと静かで人の気配がまったくなかったです。

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