血の味がしたことしか覚えていない
投稿者:ジュリー (62)
短編
2021/12/05
16:20
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中学生だった頃、母と叔母の2人でタクシーに乗って外出していました。
都会に向かって走っていたことは覚えていますが、目的地は記憶にありません。
タクシーが交差点に差し掛かった時、私はひきつけを起こしたそうです。
その時の記憶はなく、舌を噛んだようで後々血の味がしたことしか覚えていません。
「キャー!怖い!」と叫んだそうです。
体中に力が入ってこわばったまま意識が無くなっていたと母がその時のことを言います。
叔母は「ここ何か嫌だなと思った時だった。」と言っており、都会の交差点に他とは違う違和感を抱いたそうです。
脳神経外科に行き、脳波を調べましたが異常はなく。
叔母が言うには、交差点で亡くなった人の霊が一時的に入り込んだのではないかと。
実際に車が多く、人通りも多い交差点で車に跳ねられた人が全くいないとも断言はできません。
車が来て、跳ねられる寸前に「キャー!怖い!」と叫んだ人の霊がタクシーに乗っていた私の身に偶然入ったのではないかということです。
タクシーに乗っていたから良かったものの、普通に歩いている時に起きていたら自分が跳ねられることになっていたのではと恐怖を感じました。
人の霊というのは見えるものでもなく、いつ突風のように入ってくるか分からないものだということを初めて知った出来事でした。
現在も私は元気で、あれ以来特にそういったことには巻き込まれていません。
交差点は事故も多く、人の霊も多い。そういう意識が身についています。
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