バイカーがダムの近くで野宿をして気づいたこと
投稿者:FBS (19)
私が以前バイクに乗っていた頃、当時付き合いがあったバイク乗りの男の話です。
彼はアメリカンバイクをずっと愛車として乗ってきた男であり、生き方もややアメリカンバイカーのようなところがあり、テントを積んで野宿して走りまわるということをしていました。
テントを張るにしても最初のころはキャンプ場を利用するなどしていたようですが、段々年数を重ねてそれでは物足りなくなってきて、逆にキャンプ場をできるだけ利用しないで、その日バイクで走っていて良いと感じる場所があれば、そこでテントを張って野宿するというスタイルになって行ったようです。
そんな彼が県外に出て長野県をツーリング野宿の旅をしていたそうです。
山の中にある県だけあり、ダムも多数あります。
ダムへ向かう最中に野宿をするのにもってこいな場所を見つけたそうです。
バイクから降りて路駐してタバコを吸いながら歩いて確認して、広場となっており、かと言って目立ちすぎるわけでなく道路からバイクとテントを隠れて張れるようです。
ちなみに彼は一切携帯灰皿なんて使わずタバコをポイ捨てするタイプです。
再びバイクに乗り込み一先ずダムに行ってみることにしたそうです。
ダムからの見晴らしは良かったそうですが、どこか閉塞感があり暗い印象を感じたようです。
そしてポイントに戻りバイクを奥へいれテントを張り野宿の準備をしました。
夜になって集めた木で焚火をしながら夕食を終え酒も飲み終え寝ようか考えていた時だったそうです。
突然ふっと風が吹いたかと思うと焚火が消え辺り一面暗闇になりました。
ランタンはテントで灯していない状態だったので、ポケットからライターを取り出し煙草に火を着け吸いながら、ライターで辺りを灯ながらテントのランタンを点けたそうです。
そのまま面倒だったので焚火が消えた状態でそのままにして、タバコを吸い終わりポイ捨てしてから寝たそうです。
寝ていると焚火って使っていた木がコロンと倒れるような音で目が覚めます。
またしばらくするとコロンと再び木が倒れる音がしました。
誰か居るのかと思いテントを開けると誰もいません。
ですが月明りで焚火跡を見ても倒れるほどの木はないのです。
タバコを取り出しライターで火をつけたその時、少し離れたところで真っ白い複数の人が瞬きせず目を見開いて見ているのです。
驚き叫び声出しながらランタンを急いでつけて辺りを照らすと一瞬で誰もいなくなっていました。
ナイフを握りしめ一晩中ランタンをつけ朝日をやや迎えつつできた彼は早々に片付けバイクで出発すると昨日は気づかなかった慰霊碑がすぐ傍にあったことに気づいたのです。
彼は本能的に引き返し焚火跡の処理とできる限りのポイ捨てしたタバコ拾い、複数の立っていた人達に向け手を合わせ、その場を立ち去りそれ以降タバコをポイ捨てする事を一切しなくなったそうです。
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。