有名な心霊トンネル近くのカーブミラー

これは私が若い頃の話だ。

当時付き合っていた彼と一緒に、バイクでツーリングへ行くことになった。

地元から少し走って山の方へ向かった。

ここからもう少し行くと、バーベキューができたり川遊びができるようなちょっとした所がある。

そこへ行くにはトンネルを通らなければいけない。

このトンネルは昔から有名な心霊スポットだった。

手前に信号がついた細いトンネルで、向こうから来る車とこっちから行く車が交互にしか通れないようになっていた。

このトンネルに着くと、信号は必ず「赤」だった。

信号がもしも「青」だと、それは霊に手招きされているから、絶対にトンネルに入ってはいけない。

そんな噂が地元では有名だった。

だからこのトンネルを通る時は、いつもなんとなく緊張するのだが、いつ行ってもここの信号は「赤」だった。

この日もいつも通り「赤」だった。

だから心配せずにトンネルを通り抜けた。

トンネルを抜けると道が二手に別れている。

バーベキュー場があるのは左なので、今日は行ったことがない右に行ってみようという話になり、右へ進んだ。

坂道の大きいカーブがあり、ゆっくり進んでいくと、変なところにカーブミラーがついているのが見えた。

なぜか真下を向いていて、ミラーには道路しか映らなさそうだった。

なんのためについているのかわからず、なんだか気味が悪かった。

そして、そのミラーの真下に来た瞬間、

突然、「ブルン。。」

なぜかいきなり、バイクのエンジンが切れてしまった。

いきなりエンジンが切れ、寒気を感じた私は早くここ出ようと言ったが、バイクのエンジンがかからない。

少し押して進んだところで、もう一度エンジンをかけてみると、やっとエンジンがかかった。

私たちはすぐさまその場所から離れた。

あのミラーがどう関係していたのかはわからないが、後々聞くと昔あの場所で悲惨な交通事故があったらしい。

そして半年ほど経った頃、実はあの日以来１ヶ月ほど右肩が重かったと彼に聞かされて、私はまた凍りついた。