ひげおじ
投稿者:イエティ (51)
親戚が死んだ。
血のつながりはあるんだけど、かなり遠い親戚だったから
ほとんど面識はなかったんだ。
記憶はないが小さいころに数回会って遊んでもらったらしい。
あごひげがめちゃくちゃもさもさで、ひげおじって呼んでた。らしい。
ひげおじは俺が物心ついたころには九州に転勤していて、
ちょうどそのころ事故で足が思うように動かなくなり、
段々とこっちに来る機会がなくなっていったようだった。
死ぬ3日前、東京の大きな病院に入院しているとのことで、
急にひげおじに呼ばれて家族で見舞いに行ったんだ。
全然覚えてない人だし、ちょっと反抗期入ってるし、
車で行くなんて親父が言い出したもんだからかなり億劫だった。
東京について、入院している病院に行き、看護婦に案内されて病室に入る。
親父に「ホラ、お前の大好きだったひげおじだぞ」
なんて言われたけど、やっぱり全く思い出せない。
他人行儀に「あ、ども。」と言うと、
「大きくなったなあ」とひげおじはにこやかに笑った。
道中で写真を見せられたんだけど、
色黒でムキムキ、ごついネックレスが似合うやんちゃなお兄さんって感じ。
でも目の前にいるのは、痩せてガリガリになったおっさんだった。
ひげおじは「二人にしてくれ」としゃがれた声で親父と母ちゃんに言った。
体感的には初対面の死にかけのおっさんと、謎の二人きり空間。
俺は戸惑っておろおろしてた。
そんでひげおじは、「信じるも信じないもお前次第だ」
とクサイ前置きをし、突拍子のないことを語り始めた。
要約すると、こんな感じ↓
A家(俺ら)の血筋には、先祖代々から呪いを受けている。
呪いは、当時土地を巡って争いが起きたB家から。
先祖と言っても、何百年も前とかではない。
100年200年とかだと思う。
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