※実話を元に構成しています
キャバクラで働いていた頃、仁さんというボーイがいた。
当時31歳。
身長は161センチと小柄だったが、とても優しく、顔立ちは芸能人でもおかしくないほどの正統派イケメンだった。
女性キャストの中にも
彼を「カッコいい」と言う人は何人もいた。
ある日、そんな仁さんにキャストたちが興味津々で尋ねた。
「彼女いるの?」
「そりゃあいるよ!……いるよね?」
キャストたちが食い入るように仁さんを見つめる。
「いや、俺、もう10年彼女いないよ」
その答えに、キャストたちは一斉にざわついた。
「なんで? なんで?」
すると
最近入ったばかりの24歳の若いボーイが、苦笑いしながら口を挟んだ。
「仁さんは彼女できないよ。無理無理」
一体どういうことなのか。
ある休日、仁さんとその新人ボーイは用事があり、待ち合わせをしていた。
ところが、約束の時間を過ぎても仁さんは一向に現れない。
電話をしても出ない。
住所は知っていたため、仕方なく新人ボーイが仁さんのアパートまで向かうことにした。
アパートの一階にある部屋の前まで行き
チャイムを何度か鳴らす。
すると、しばらくして仁さんが出てきた。
どうやら寝起きのようだった。
「仁さん、寝坊ですか? ……うっ」
新人ボーイは思わず顔をしかめた。
ものすごい悪臭が、部屋の中から漂ってきたのだ。
思わず嗚咽が出るほどだった。
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