奇々怪々 お知らせ

妖怪・風習・伝奇

礎吽亭雁鵜さんによる妖怪・風習・伝奇にまつわる怖い話の投稿です

集団同調圧力
短編 2026/08/13 17:41 33view

自分が子供の頃だから30年近く前に放送された心霊系番組だと思うんだけど誰か詳細覚えてないかな?

ナレーションの説明によると舞台は東北の湖でそこでは明治時代に集団入水自殺があった場所とされた。

次に当時何があったかの再現ビデオが流れた。

名家の一人娘はとても大事に養育され、小さい頃から5人の侍女が長らくお世話をしていた。
娘が年頃になり一人の男に恋をするが男は外面は好青年だが本性は女癖の悪い不良者で、娘は傷物にされた上に手酷く捨てられてしまった。

娘はそれから毎日屋敷でさめざめと泣いて過ごしていたが、とうとう将来を憂いていっそのこと死んでしまいたいと思うようになった。

しかし名家のお嬢様ゆえどのように死ぬべきかわからず侍女に相談したところ、5人とも長年世話をしてきた娘と別れるのは忍びないと共に心中することを決意。
そしてある晩、娘と5人の侍女は湖に身を投げ全員が帰らぬ人となった。

番組は現代に戻り、そして今も彼女らの怨念が霊となって現れるのであると説明した。

そして画面は現地ロケに切り替わり、レポーターと霊媒師が夜の湖にやってきた。

霊媒師は強い後悔、恨みの念を感じますと言いながら湖周辺を探索しながら歩いた。

突然霊媒師は霊とシンクロしたようになりレポーターがそれに気づき霊媒師を介して霊に質問をする。
いろいろ質問をしていたはずだがあまり詳細は思い出せない、ただ最後の質問だけは今も強く憶えている。

レポーター「長年世話をしていて娘に思い入れがあるのはわかるが心中しようと決意するにまでいたったのはどうしてか?」
霊媒師(霊?)「私は心中なんてしたくなかった。だけど娘が自殺の相談に来たあのとき、他の4人は滂沱の涙を流して私たちもお供しますと顔を見合わせた。とてもじゃないがおのれだけ嫌だとは言い出せる雰囲気ではなく、そのまま覚悟もできぬまま流されるように死んでしまったことが後悔で仕方ない。」
驚愕の事実!などと煽りテロップが出た後にレポーターと霊媒師は湖から離れた場所でまた会話をする。
レポーター「湖に出ていた霊というのは実は死にたくはなかった一人が後悔であの場所に残っているんですね」
霊媒師「いえ、私はあの時5人の侍女全員の混濁した意識のようなものと触れていました。あの言葉は5人全員のそれぞれの想いなのです。
誰一人心中したいなどとは思っていなかったのにも関わらず他の者の心を慮り過ぎて全員が心中する道を選んでしまった。さらにその後悔の念でお互いがお互いを縛って成仏できていないのです。」

子供ながらにすごく後味が悪いと思った話です。

1/1
コメント(0)

※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。

怖い話の人気キーワード

奇々怪々に投稿された怖い話の中から、特定のキーワードにまつわる怖い話をご覧いただけます。

気になるキーワードを探してお気に入りの怖い話を見つけてみてください。