以前家業を継ぐか継がないかを相談させていただいた学生です。
その家業っていうのは、先日書きました通りいわゆる霊能者のような人たちが使うお札を作ることなのです。
かなり悩みましたが、特にやりたい仕事が見つからないでいること、収入が非常に良さそうなこと、そしてなにより今までずっと練習させられてきた字を書くことが役に立つことが決め手でした。
ただ父とは相談して学生の間まずは弟子入りというか家庭内インターンみたいな感じでスタートすることとしました。
これは私が学生の間に他にやりたいことを見つけたり、あるいは実際に家業に触れることでやりたくなくなったりする可能性を父が考慮してくれたからです。
そしてインターンの内容ですが、当然字を書くことです。
ですが小学生のようにドリルに書き取りをするのではなく、お札に見立てた和紙に墨汁で呪言を書いていく練習をさせられました。
それもただ書くだけではなく、お札制作にはさまざまな作法や決まり事があり、それらを忠実に守らなければお札としての効力はないとされているとのことで、父からはしっかりとその手ほどきを受けております。
その中の作法の一つに一字一字丁寧に声に出しながら書くように、というものがあります。
皆様も試してみると良いかもしれませんが、声に出しながら書くってかなり難しいのです。
何の意味があるのかと父に聞きましたが、父も理由はわからない、ただ正しい読み方で読みながら書くことが必須なのだと説明されました。
例えばこんな呪言がありますが(文字だけには何の効力もありませんのでご注意を)
根雪降る奥寺へ
闇の声永遠消すため白い花を摘む
安ぜぬ法より密かに幸守れ
正しい読み方は
ねゆきふるおくでらへ
やみのこえとわけすためしろいはなをつむ
あんぜぬほうよりひそかにさちまもれ
だそうです。
永遠をとわと読ませるなんて少し気障ったらしいですね。
他には
灯火煌めく闇の底
揚がる帆揺れ 荷船立ちぬ
似非王は平和蹴り捨て
瑣末な論を詠む
ともしびきらめくやみのそこ
あがるほゆれ にふねたちぬ
えせおうはへいわけりすて
さまつなろんをよむ

























※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。