——綿の私——
いつから?
そんなの、分からない。
ふわふわとした物に包まれて、少し薄暗い。
そこで何日も何日も過ごしている。
そんなある日、二人の警察官と思われる人物に拾われた。
「なぁ……このぬいぐるみ……」
『血が付いてないか?』
——警察官——
犯人と思われる人物の家宅調査が終わり、一緒に来ていた空田と帰っている時だった。
道端に少し大きめのうさぎのぬいぐるみが落ちていた。
誰かの落し物かと近付くと、ぬいぐるみから血液が滲(にじ)み出ている事に気が付いた。
そして持ち上げてみると重い。
よく見ると背中に縫い合わせた跡があった為、警察署に着いてから縫い目の糸を切ってみた。
するとそこから、女の頭が出てきた。
「おい……これ……」
それは恐らく行方不明の、ぬいぐるみ工場で働いていた「綿見 胡桃(わたみ くるみ)」だった。
俺はその女の口が今にも喋り出しそうで、怖気が立った。
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