——魚の私——
いつ頃からだっけ。
冷たい水の中で過ごすようになったのは。
水の中なのに苦しく感じなくなったのは。
まるで私、魚になったみたい。
そんなある日、二人の警察官がやってきた。
何かを探しているみたい。
そしてしばらくすると私を見つけた。
「うわぁ……なんで……」
『風呂の中に女の上半身が入っているんだ』
——警察官——
二人で家宅捜査を続けていると、風呂場で「魚田 京子(うおだ きょうこ)」と思われる遺体の上半身が見つかった。
それは湯船の中でぷかぷかと浮いており、皮膚はふやけてぶよぶよになっていた。
「おい……こいつの下半身って確か……」
俺がそう言うと一緒に来ていた空田(そらだ)が、
「海に捨てられてたってよ」
と言った。
湯船にいるその女は、今にも起き上がって来そうで、
俺の腕は一気に粟立(あわだ)った。
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