叔母が高校生の頃の話。
深夜、部屋でノートを広げ必死にペンを動かしていた。
叔母はその頃、漫画家を目指しており、毎晩遅くまで絵の練習をしていた。
だんだんと眠気に襲われ、頭がガクリと落ちる。
ハッと顔を上げる。
「あ……」
机に置いていた、鏡が目に入る。
鏡に映る自分の顔。
そして自分のすぐ後ろに立つ、見知らぬ女。
自分と同年代の、どこにでもいるようなごく普通の女。
そのせいか、不思議と怖さはなく、金縛りのように体が動かないわけでも、苦しいわけでもない。
鏡越しに目が合ったまま、時間が過ぎていく。
ふと、女が動く。
ポンと叔母の肩に手を乗せる女。
しっかりとした重みのある冷たい手。
「あ……」
そこから記憶は途切れ、気付くと学校の教室だった。
「あれ?」
慌てて教室を見渡す。
「ねえ、帰りカラオケ行くでしょ?」
「うん!行く行く!」
友達に声を掛けられ、自分でも驚くほど自然に返事をする。
友達と別れ、家路に着く。
帰りの電車の中で、昨夜のことを思い出し、自分の肩に触れる。
その瞬間、頭の中に鮮明な映像が流れる。
車の助手席に乗っている自分。
運転席には男が乗っているが、顔が黒い靄で包まれ見ることが出来ない。
楽しく会話をしながら、心の中ではどんよりとした気持ちが広がり、気分が悪い。
突然、鳴り響くクラクション。
ハッと顔を上げる。
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