思い返せば、あのバイトを始めたのは大学一年の冬だった。
薬学部に通う友人の誘いで、薬理研究ボランティアに参加した。
要するに、開発した新薬を健康な身体で試す人間モルモットとしての役割だ。
ラットや猿までの実験データは録れていて、いよいよ人間に…そこで我々ボランティアの出番と言う訳だ。
初めは、数時間で終わる軽い新薬の短期間低額検査を選んで受けていたが
慣れてくるにつれ、泊まり入院で24時間データを記録するなど、ヘビィな内容のものまで挑戦するようになっていた。
それは花粉症、アレルギー各種から始まり、風邪、ニコチン中毒改善薬、胃潰瘍、高血圧改善薬、勃起不全(ファイザー)などあらゆる検査があった。
利点と言えば、ボランティア扱いの為、税金や領収書は発生せず、終わればその場で現金が手渡される。
金額も様々で、俺自身は3万円~50万円までの検査経験をこなしていた。
その内容に関しては、また機会があったら触れようと思う…。
そんなある日のこと、長期間高額の話が舞い込んできたのだ。
報酬は…200万円!期間にして、早ければ一ヶ月。
最終データを記録するまでは、個人差あると言う。
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