最近、うちの会社で猫と話せるスマホアプリをリリースした。
猫の鳴き声を人間の言葉にするのはもちろん、人間の言葉を猫の鳴き声にして出力することもできる。
AIが発展した今だからこそ作れたアプリだと言える。
これはさすがに大バズり間違いなしと踏んでいたのに、どちらかと言うと軽い炎上になってしまった。
SNSで『端末を2個用意して逆翻訳させたら、まったく違う言葉になった』というコメントがバズってしまったのだ。
そして、『翻訳なんて適当じゃないか』という疑いが蔓延してしまっている。
俺は猫が好きだし、世の猫好きにももっと猫と仲良くなって欲しい――そんな思いでこのアプリの開発を企画した。
このアプリは画期的なものだと自負している。
だからこそ、こんな誤解は一刻も早く解かなければならない。
そう思って翻訳担当を見ると、机の上に座って大欠伸をしていた。
いつもの事なので気にせず聞いてみると「猫語に存在しない言葉は、適当な褒め言葉に置き換えろと言っておいた」と眠そうに答えてくれた。
確かにそういう仕様にはなっている。
猫の言葉に「東京タワー」とか「日本」なんてものはないからな。
でも、その注意書きはしてあったはずだ。
大半はその勘違いだと思う。
けど、もしそれ以外の原因があったら――
「たとえばさ、発音が悪かったとかは……ないかな?」
そんなことはないと思いつつ、念の為に聞いてみた。
俺の言葉を聞いて、眠そうだった目が鋭く俺を睨みつけた。
カツカツと爪が机を叩いていた。
「……おい、猫又の俺の発音を疑うのか?」
少々苛立たせてしまったようだ。
後でしっかりとご機嫌を取っておかないと。

























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