あなたはこんな体験をしたことはないだろうか?
…夜一人部屋にいる時、突然明滅する蛍光灯。
…とっくに時節は過ぎたというのに、聞こえてくるセミの声。
…地震でもないのに畳に落ちる仏壇の遺影。
…そしてふとした時にフワリと鼻腔を掠める、亡き人の香り。
そんな時多分あなたは単なる不思議な出来事で済ませるだろう。
でももしこれらが意味のあることだとすると、、、
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会社で同期の篠原はで入社以来の長い付き合いなんだが、今年の秋口くらいからかれこれ二月くらい欠勤している。
最初のうちは単なる風邪くらいに思っていた。
でもいつまで経っても出社してこないので携帯に連絡を入れると、入院しているということだった。
それで12月最初の週末に、彼女の実奈と連れだって見舞いに行くことにしたんだ。
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病院は郊外の閑静な場所にひっそりとあった。
古びた病棟個室の窓際に横たわる篠原は、かつての面影さえ感じさせないくらいに変わり果てていた。
どちらかというと明るくてがっちりしたタイプだったのが、頬はこけ手足は枝のようになっている。
この姿を見た途端、俺は彼の病状がただならぬことを悟った。
俺と実奈は型通りの挨拶の後、ベッド横のパイプ椅子に座る。
実奈が見舞いの花を枕元のテーブルに飾っている間、俺は篠原としばらく他愛もない話をしていた。
そして会話が途切れた一時の間の後、篠原がボソリと呟く。
「胃ガンなんだ」
























そこまででもなかったかな。
実際、亡くなった方の匂いや線香の香りは時々ありますね。
コメントありがとうございます
─ねこじろう
篠原さんのご病気の末期症状は、人によって痛みの度合いが違うと聞きましたが、緩和ケアの最中に言動が荒々しくなる人もいるそうです。若くして逝かなければならない篠原さんは、とにかく大笑いしたくなる程辛かったのでしょうね。
現実にありそうなお話ですね。お友達の形見だとしても、私も怖いから、このような鈴を飾りたくないな。
人は辛さが極限になると、笑いが出てくるのでは?
と考えてます─ねこじろう